介護と仕事のバランスを考える   その一

現在働いている50代の社員の皆さんの家庭で介護の問題を抱えている方、また頭の片隅でお考えの方も多いと思います。ご存知のように日本の高齢化は(社会における65歳以上の率は24.1%・2012年)進み、今団塊の世代が介護を必要とする時代となってきました。会社勤めの方にとって一番怖いのは、介護が必要な時が突然(明日にでも)来るということです。その時会社にどの言えばいいのか又会社側としてもどのようなことを準備しなくてはならないのか、役所の申請前置主義の考えをと同時に二回に分けて考えてゆきたいと思います。まず下記の図は要介護者10万人に対する同居の介護・看護者数:年齢階級別(男女別,平成22年)です。男女共同参画資料より 会社勤めの方では50代からが、該当となります

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育児・介護休業制度

介護休業ができる労働者は、要介護状態にある対象家族を介護する男女労働者です。日々雇用される者は対象になりません。「要介護状態」とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態をいい、「対象家族」とは配偶者、父母、子、配偶者の父母並びに労働者が同居しかつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫をいいます。

介護休業の対象となった一定の範囲の期間雇用者とは、申出時点において、次の(1)、(2)のいずれにも該当する労働者です。

1)同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること

2)介護休業開始予定日から93日を経過する日(93日経過日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること(9 3日経過日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかである者を除く)


まず誰もが、この制度を思いつきますが、その取得率は、2011年では0.06%です。これでは100人以下の会社では1人も取得できないことになってしまいます。

社員側からの不安

50代の方は、会社の中核に属する人や取引先や会社の仕組みを熟知している方です。自分が休んだり、仕事をやり遂げなくなったら 会社 同僚 取引先にどのような結果や迷惑を招くかある程度は想像できる方です。日本の労働時間は少しずつ改善されていると政府は発表していますが、実感をもっている方は少ないと思います。この労働時間の算出は、非正規労働者が増加しているため結果の数値に彼らの労働時間が加わるために、結果平均が下がるのが現状だと言われています。この状態で50代の方が突然会社と介護の両立をはかることが今の社会では可能でしょうか、また、法的制度としてある「育児・介護休業制度」は介護日数93日の制約等 非現実なことばかりであまり使えないと思います。当然社員の不安は増大し、ネットでの質問コーナーへもいろいろな質問寄せられていますが集約すれば以下の問題があげられるのではないでしょか。

社員側の不安

  会社を続けることができるか

  自分のキャリアはこれで終わりではないか

  仕事が完成できない場合 どうすればいいのか

  残業もできない 肩身がせまい

  退職に追い込まれるのではないか

  会社には黙っていた方がいいのではないか

  家族の協力は得られるのか

  会社は、自分のことを考慮してくれるのか

  行政は、どこに相談すればいいのか

 

次回は、会社側と行政の側の問題について考えたいと思います

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