遺族基礎年金の改正点
平成26年4月1日より遺族基礎年金の支給対象者が父子家庭にも広がります
企業へお勤めの皆さんやご家庭の周りにも父子家庭の方がいらっしゃると思います。父子家庭は母子家庭に比べて収入で恵まれているとの概念が今までありましたが、この決定は、いままでの概念が間違いだと社会や政府は認識したのだと思います。そして平成24年8月に成立した「社会保障と税の一体改革関連法」で遺族基礎年金の支給対象外だった「父子」を支給対象に加えることが決定しました。もし子のいる妻が夫を不幸にして亡くしたとき、現在は遺族基礎年金が支給されます、また厚生年金に加入していた会社員の夫であれば、遺族厚生年金が支給されます。しかし子のいるご家庭で妻が亡くなった場合、夫には遺族基礎年金の支給はありませんでした(妻が社会保険であれば、遺族厚生年金の支給はあります)。遺族基礎年金の対象は「子のある妻、または子」に限定され、「父子」は対象外となっていました。これは父子家庭にとっては朗報ともなりましたが、残念ながら 父子への遺族基礎年金の支給がスタートするのは2014年度からとなっています。制度が変わってから母親が亡くなった場合は、遺族基礎年金支給の対象になりますが、以前に母親が亡くなって父子家庭になった場合は支給対象外なのです。この制度の変更は東日本大震災の影響があります。震災で多くの方が亡くなられました。夫を亡くした母子も、妻を亡くした父子もいました。一方は遺族基礎年金が支給され、一方は支給されず、不平等を生みだしました。その結果、「社会保障と税の一体改革関連法案」の中に遺族基礎年金の父子家庭への支給へと繋がったのです。ここまでは、無論評価すべきことでもあり、今後父子家庭の方にもよりよい生活環境がより改善されてゆくことを期待したいと思います。
富山県の父子家庭・母子家庭への取り組み
母子家庭又や父子家庭の発生原因は、なにも死別だけではありません。死別の場合は上記のような年金制度の改正で改善されましたが、別離の原因は離婚が圧倒的におおいのです。またシングルマザーやシングルファザーの場合もあると思います。
(下記グラフ参照)別離の原因 平成23年度 厚生労働省資料より
平成23年の 母子家庭 父子家庭の世帯数は123.8万と22.3万です。全国統計
富山県では、母子家庭、父子家庭及び寡婦世帯の自立や生活の安定・向上に向けた各種施策を総合的かつ計画的に推進するため、平成17年9月に「富山県母子家庭等自立促進計画」を策定しました。これまで、この計画に基づいて、相談・情報提供、就業支援、子育て・生活支援、養育費の確保、経済的支援などの施策を総合的に推進し、ひとり親家庭等の自立を支援してきているところです。こうした中、国においては、「母子家庭及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針」を平成20年4月に改正し、特に、就業支援や養育費確保策を強化することとされました。新しい計画は、名称を「富山県ひとり親家庭等自立促進計画」とし、相談・情報提供機能の充実強化」、就業支援の積極的推進」、子育て・生活支援策の充実強化」、養育費確保の推進」、経済的支援の推進」を5つの施策の柱として、ひとり親家庭等の実情に即したきめ細かな自立支援に取り組んでまいります。 一部紹介
詳細はhttp://www.pref.toyama.jp/cms_pfile/00003232/00437808.pdf 参照ください
しかしながら まだ父子家庭は母子家庭に比較して援助は相対的に薄いと言わざるを得ませんし、当然家庭での負担が増えれば、最悪育児放棄にも繋がりかねません。
この表は、行政の支援を簡単に父子家庭・母子家庭別に対比表にしたものです。
行政支援のあるもの |
父子家庭 |
母子家庭 |
児童手当 |
○ |
○ |
児童扶養手当 |
○ 2010年より |
○ |
就学補助手当 |
△ |
○ |
母子寡婦福祉 |
× |
○ |
公営住宅入居 |
優先なし |
優先 |
就学補助手当は地域によって異なります。富山市では世帯の収入(基準は昨年の世帯総所得が昨年度生活保護基準の1.2倍未満)に応じて学用品費や給食費など就学に必要な費用の援助を行っています。また「富山市ひとり親家庭等医療費助成条例」もあり医療の補助なども行っています。
表では、大分改善されたことがわかりますが、またまだお金の問題 例えば就労支援やローンの問題、またメンタルな問題など挙げればいくつでもあると想像されます。どこの家庭でもある問題を親が一人で抱えている現状があります。私たちや地域 社会で取り組む問題はまたまだあると思います。