中小企業の新卒採用について

中小企業の経営者や担当者の方は、来年度新卒採用スケジュールも最終ステージが近づき、本年度の見込みが立っている方又未定の方、採用しようかどうか悩んでいる方様々だと思います。私も以前企業で新卒採用担当だった頃休みもとれなくて日々会社訪問対応に追われていたことを思い出します。また本年は高年齢雇用安定法の改正等で、特に新卒の採用も大切だが今在職されている高年齢の社員の雇用を優先しなければならない現実があると思います。私も中小企業でしたので、新卒採用活動の中、中途退職や中途採用も多く「新卒採用・中途採用・高齢雇用」のバランスが今現在と新年度初めとの現状が予想できないことも多く、当初の新卒採用の人数で大丈夫かと自問自答したことがあります。今回は、そんな経営者や担当者の方に私の経験からではありますが、中小企業の新卒採用時の気持ちの持ち方をいくつか述べたいと思います。

採用は営業である。

採用することは、自分の会社の業務内容・待遇・制度や同僚社員(仲間)を買ってもらうことです。採用担当の方は、営業経験を積んだ方がベストだと思いました。

1) 実際入社して何をするのか、

2) 給与・休み・働く時間はどうなっているのか

3) 10年後はどんな姿になっているのか、

4) 周りはどんな人がいるのか

この疑問の答えが、相手(新卒)に売る商品です。当然虚偽 誇大、曖昧な答えは、返品や悪くすれば訴訟の対象となります。新卒の方と向き合う時は、お客様に向き合う気持ちで接することです。間違っても学生だからと甘えてはいけません。今はネット社会ですので悪くするとブラック企業としてネットに載せられるケースもあったそうです。

第一志望は、うちにはこない。

新卒の第一志望は、公務員・大企業です。中小企業が第一希望などという方は、ほとんどいないと思いましょう。(よほど素晴らしい技術やシステムがある企業は別ですが)もちろん新卒の方は、そんな本音を言いませんが。入社してしばらくたって「御社に入社してよかった」と思っていただければ、経営者や採用担当者への最高の褒め言葉ではないでしょうか。

優秀な人は辞めてしまう。

採用するときは、誰もが履歴書で出身学校 成績 エントリシートで概略を読んで、面接へと進んでゆくと思います。そして優秀な人は内定を得るでしょう。これは当然のことですが、就職氷河期の時代でも今でも内定を取る人は多くの企業で内定となり、残念ながら他は内定に至らない人です。これはいかに外部環境が変わろうと不変だと思います。中小企業は、このパイを奪い合うことになりますが、ここでもっとも注意してほしいのは受入体制です。どんな優秀な人をとっても現場での指示が不正確だったり、指示がなかったり(ほったらかし) 配属された部署や、新入社員の能力を使いこなせない状況であれば当然他社への転職を検討するでしょう。採用は優秀さばかりを見るのではなく、企業内で使いこなせる人材を見出すことが大切です。 

個性なんかわからない

「採用は個性をみなさい」と昔私も言われたものですが、同僚でも1年や2年で個性を分かりあえる人が何人いますか、逆に「嫌なこと」「気に入らないこと」はお互いすぐにわかりますがこれは個性ではありません。小学校から教育方針で「個性を大切になんて」具体的に表現できないことを、あたかも実際あるように訴える、その結果、他の人と異なっている話し方や考え方を個性と取り違えることがありますが、私は個性のある人とは、実際に現状のルールにそってその部署や自己の仕事で成果を上げ、その上で独自のやり方を確立してゆくことができる人が個性のある人と思います。採用では残念ながらわかりません。人と違ったことばかりやるのは個性ではなく問題社員となります。

不平不満は誰にでもある

職場は楽しいですか? よくある質問です。この質問にどう答えますか、今自分は全く素晴らしい企業生活、家庭生活を送っているのか、社会・政治に不満はないのか? どうでしょうか。最初の質問にはぐらかさず正直に答えることが、大切だと思います。いじめの問題は、幼稚園から老人ホームまであります。残念ながら人間は人のことが気になってしかたないのです。人と関わる以上、不平不満はあると言ってあげる方が丁寧な答えだと思います。その中身を話せる人や制度(書面でも面談でもいいと思います)があることが重要です。

中小企業の経営者・採用担当者の皆様、また若い希望をもった人たちのために少しでもお役に立てればと思い、自分の経験での話を述べましたが、もしご不明な点やご意見がございましたら、メール等でけっこうですので当事務所まで賜れば幸いです。

 

 

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